後立山(長野/富山) 白馬岳(2932.3m) 2022年7月16日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:11 猿倉駐車場−−1:50 林道終点−−2:07 白馬尻−−2:20 雪渓に乗る(ケルン)−−3:35 夏道(標高2200m アイゼンを脱ぐ)−−4:03 小雪渓トラバース(アイゼン装着)−−4:58 村営頂上宿舎−−5:20 白馬山荘−−5:40 白馬岳 6:12−−6:28 白馬山荘−−6:52 村営頂上宿舎−−7:35 小雪渓トラバース−−7:57 大雪渓に乗る(アイゼン装着) 8:02−−8:23 夏道(アイゼンを脱ぐ) 8:25−−8:34 白馬尻−−8:48 林道終点−−8:57 長走沢−−9:15 猿倉駐車場

場所長野県北安曇郡白馬村/富山県下新川郡朝日町
年月日2022年7月16日 日帰り
天候
山行種類ほぼ一般登山
交通手段マイカー
駐車場猿倉に駐車場あり。ただし2022年も工事のため駐車場が縮小
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無小雪渓トラバースが急で滑落注意。しっかり雪切されているので雪が緩んだ日中ならばアイゼン不要で通過可能だが、万が一滑落すると軽傷では済まないので特に下りでは軽アイゼン着用が望ましい
山頂の展望晴れれば大展望だがこの日はガスがかかってほぼ展望無し
GPSトラックログ
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コメント本州に前線が停滞して悪天が予想されたが花を期待して白馬岳に登る。結果的には予報より良く雨は降らずガスはかからず晴れ間もあったほど。花はウルップソウは最終盤だが多くの花はピークを迎えつつあり、来週辺りがピークとなりそう。今回から修理完了したパナソニックのデジカメに切替え、ズームが使えるようになったので満足いく写真撮影ができるようになったが、今回は一部撮影モードで感度設定がISO6400になったままで画像がノイズだらけになってしまった


南側直下から見た白馬岳山頂部。左右非対称なのが特徴


猿倉駐車場。まだ半分も車は入っていなかった しばらくは雲の隙間から月が見えていた
林道終点から登山道に入る 大雪渓のケルン。ここから雪渓に乗る
雪渓はスプーンカット化進行中 標高2200m付近で雪渓から夏道(葱平)に乗る
小雪渓は雪切されアイゼン無しでも歩けるよう整備済み 夜明け直前の東の空。雲に覆われる
避難小屋。前回はこれより上部に出た まだ雪渓は稜線までつながっている
小雪渓より上部の雪は完全に消えている イワカガミ
ハクサンイチゲのお花畑。今がピーク シコンタンソウの群落
水源の雪渓。ちゃんと水が出ていた ウルップソウ。もう末期で残り僅か
村営頂上宿舎 イワギキョウ
村営頂上宿舎付近のお花畑。シナノキンバイ(黄)とハクサンイチゲ(白) 村営頂上宿舎を見下ろす
テント場。2張のみだが天気予報からして仕方なかろう 県境稜線に出た。まだ山頂にガスはかかっていない
旭岳 ミヤマダイコンソウ。今がピークで来週には散りそう
タカネツメクサ ミヤマシオガマ。葉が人参のように細かく裂けている
白馬山荘。人は少なかった いつものように稜線東側を登ることに
開花前のミヤマオトコヨモギ。なんで「男蓬」なんだろう? 階段脇にも多数の花あり。なかなか足が進まない
シコタンソウ ミヤマキンバイ
イワベンケイ オヤマノエンドウ
ミネウスユキソウ 咲き残ったツクモグサ。こんなに茎が延びるとは知らなかった
おそらくクモマスミレ 南を振り返る
白馬岳山頂を見上げる ツガザクラ
イワツメクサ イワウメ
白馬岳山頂 根元まで出て地面に置かれた一等三角点
白馬岳から見た360度パノラマ写真(クリックで拡大)
白馬岳から見た立山、剱岳
白馬岳から見た南側。今日は空気の透明度が悪い 白馬岳から見た東側
白馬岳から見た富山平野。黒部川がはっきりと見えた 白馬岳から大雪渓を見下ろす
白馬岳から見た猿倉駐車場。駐車場から山頂見えます 栂海新道で親不知まで縦走する若者。本日は朝日小屋まで
白馬岳から見た旭岳。南を巻く祖母谷温泉への道が見えた 下山開始
タカネシオガマ。葉っぱの切れ込みがミヤマシオガマより浅い ハクサンチドリ
クロマメノキ チングルマ
ミヤマオダマキ。村営頂上宿舎付近で多く見られる コマクサ
たぶんクモマスミレ コケモモ。ほとんど草並みの背の低さ
違った花を求めて旭岳方面へ下ってみる こちらは人は少ない、と言うより無人
コゴメグサだが細かな種類は不明 ハクサンボウフウかシラネニンジン
コバイケイソウ。白馬岳ではここでしか見られない ゴゼンタチバナ
緑色の花のゴゼンタチバナ 県境稜線に戻る
テント場のテントは無し。でもそのうちに賑わうだろう シナノキンバイ
ハクサンコザクラ。頂上宿舎前のお花畑にて ハクサンイチゲ
頂上宿舎。この時間(午前7時前)はまだ賑わいは無い 分かりにくいがウルップソウの群落
ハクサンフウロ 水源の雪渓
水場 ミヤマタンポポだろう
テガタチドリ 杓子岳を見ながら下る
茎に毛があるのでタカネミミナグサらしい ミヤマキンポウゲ。広範囲で今が盛り
タカネヤハズハハコ ヒメクワガタ
イワオウギ。これも今がピーク イブキジャコウソウ
ショウジョウバカマ ミツバオウレン
ヤマガラシ クロトウヒレン
おそらくキバナノコマノツメ
アオノツガザクラ ベニバナイチゴ
ハクサンボウフウかシラネニンジン ヨツバシオガマ
ミヤマキンバイ
ミヤマカラマツ。花?の太さが均一ではなく一部が太い ミネウスユキソウ
カラマツソウ。花?の太さが均一 まだ咲いていないがクルマユリ。葉が輪生している
杓子岳 ナナカマド
ミヤマクワガタ 小雪渓。雪が消えるまで1,2週間かな
小雪渓を横断し終えて下へ そろそろすれ違う人が増えてくる
ミソガワソウ
シロウマアサツキの蕾 葉の大きさからしてオタカラコウか
開花したクルマユリ ? 咲いてないと調べるのが困難
大雪渓上端 大雪渓上端から夏道を見上げる
続々と登ってくる 途中で雲海(ガスの層)に入る
まだまだ登ってくる人の列。3連休初日だからなぁ 大雪渓から夏道に乗る地点(ケルン)
ここから夏道。暑い! 大雪渓を振り返る
サンカヨウ オオバキスミレ
オオバミゾホオズキ ズダヤクシュ
キヌガサソウ 白馬尻小屋は今年も組まれていない
白馬尻から大雪渓を見上げる。吹き下ろす風が心地いい! 標高1550mくらいなのでミヤマキンポウゲではなくウマノアシガタか
スミレだが細かな種類は不明 ニリンソウが咲き残っていた
ニリンソウの群落。おそらく雪解け直後なのだろう ヒメクワガタっぽいがこの標高でもあるのか?
タニウイツギ。もう最終盤 オオレイジソウ。まだ咲き始め
オニシモツケ ? 草ではなく木
林道終点 今年は車が入っていた
ニガナっぽいが花弁がやたら多い ヨツバヒヨドリ
長走沢。今回は水浴びは無し シロバナニガナ
アジサイ 鑓温泉方面。通行止めは解除されていた
猿倉分岐 オオバギボウシ
これは典型的なニガナ タマガワホトトギス
駐車場着 3連休なのに満車ではなかった


 今週末は海の日を含む3連休だが、6月に梅雨明けしたのに最近は梅雨が戻ったように天気が悪い。つい先日までは前線の影響ではなく湿った気流と上空の寒気の影響だったが、金曜日からは前線が現れて本州付近にかかっており、土曜日も本州にかかったままの予報。前線の位置は日本海側で北アルプスに近く、どう考えても好天はあり得ず雨の確率の方が高い。特に日中は雷雨の確率が高くなっていて、しかも連休中はずっとそんな状態が続くらしい。しかしせっかくの3連休なので悪天でも初日に動いて2日目は休養して3日にまた出かけるのが望ましい生活。いつもの夜間登山で雷雨が来る前に下山することでリスクを少しでも下げることにする。

 今年は梅雨明けが早かったので高山植物の開花のピークが早いと予想され、そろそろピークを迎える頃。よって行先は花の数も種類も圧倒的な白馬岳しかあり得ない。花鑑賞なら天気は関係ないので(実際には写真撮影が面倒になるのでガスはいいが雨は勘弁してもらいたい)、悪天でも問題なし。ただし雨装備だけはしっかりと準備することにして、防水性能がほぼなくなったゴアの登山靴にはたっぷりと防水ワックスを塗りこんで、これまた劣化で防水性能が低下した山用ゴアの代わりに下界で使っている安い雨カッパを準備。骨が折れた軽量の傘を修理して持っていくことに。風が無い状態なら蒸れない傘の方がずっと快適に歩ける。それでもウェストポーチが濡れるのは避けられないので、中身が濡れないよう防水用ビニール袋も準備。ザックの雨蓋の中身も同様だ。

 ちなみに土曜日の下界の天気予報は曇後雨。「てんくら」の予報では夜中から午前中は「B」の連続で、山頂での展望は期待できないとの予報だった。でも前線が近いはずなのに風は弱い予報で、もしかしたら前線の活動は思ったよりも弱いのかもしれない。

 白馬岳は1か月ぶり。金曜夜の猿倉の駐車場は前回よりは車は多く入ってたが、それでも20台くらいか。夏の金曜夜としては少ない方だが、天気予報があれだから仕方なかろう(長野は曇後雨)。気温は先週よりずっと低めで先週はドアを開けないと車内は30℃近くまで上がったが、今夜は逆に窓を閉めていないと寒いくらいで車中泊でも快適に寝ることができた。体が暑さに慣れてきた影響かもしれない。夜中にポツポツと車が上がってきたようだが、2つのサンシェードとカーテンのおかげで熟睡できた。

 4時間弱の睡眠時間で午前0時半に起床。一般的には夜食の時間帯だろうが私にとっては朝飯を食って1時過ぎに出発。予想外に頭上には雲の隙間から星が見えており、予報よりも天気がいいようだ。天気が崩れる前に山頂に立って下山してしまいたいところだ。月明かりが出ているようで、駐車場から白馬岳山頂のシルエットが見えていて、山頂にはガスがかかっていないことも分かった。いい傾向だ。

 LEDライトの光でここを歩くのは何回目だろうか。今回は大雪渓を歩いている時間帯はずっと真っ暗な時間であり落石が見えないので気持ち悪いが、杓子尾根に接近しない限りは大雪渓まで達する落石は滅多にないのでさほど気にする必要はない。小雪渓に達する頃には明るくなり出しているだろう。まだ小雪渓には雪があることは白馬山荘の情報で分かっているが、雪切したとのことで軽アイゼンで大丈夫とのことで6本爪軽アイゼンとした。ストックを持って行こうとしたが、軽ピッケルとの重さを比較したらピッケルの方が軽かったので軽ピッケルを携行。ちなみに私のストックは安物なので重いのだろう。軽ピッケルはアルミ合金製である。

 林道終点から登山道に入るが一ヶ月前には満開だったニリンソウやシラネアオイは影も形も無くなっていた。今年も小屋が無い白馬尻からそのまま夏道を辿り、大雪渓のケルンがある場所から大雪渓に乗る。ここから乗るのも本当に久しぶりだ。雪渓上には光は皆無で私だけ(当たり前)。雪渓を吹き降りる風は冷たいくらいなので、毛糸の帽子、手袋、腕カバーを着用した。

 この時期の雪渓はスプーンカット化が進んでいて表面が凸凹で歩きにくいが、雪は固く締まっていてスパッツ不要で全く沈まないので体力の消耗は残雪期より少ない。固い雪の上では足跡は残らないのでルートは不明で適当に登るが、雪の汚れ方の違いで何となく人が歩いたルートが判別可能で、それと分かる場所はトレースを歩いた。稀に赤いベンガラが撒かれた区間があるが短く、大半は目印等が無い汚れた雪の上を適当に上がっていく。今年はまだクラック皆無で雪渓のどこでも自由に歩けるが、高度が上がると杓子尾根側は落石の可能性が高いので、意識して右手側を歩いた。

 一ヶ月前よりやや標高が上がった場所で大雪渓から葱平の尾根に取り付く。もう少し時期が進むと尾根よりだいぶ手前で左岸に取り付いてトラバースするのだが、今はまだ直接尾根に取り付ける。尾根はミヤマキンポウゲが咲き誇り花のシーズン開幕だ。これからは花の種類を変えながら8月上旬くらいまでたくさんの花が楽しめるはずだ。左手に鋭く聳える杓子尾根(杓子岳山頂はまだ見えていない)にはガスはかかっておらず、思ったよりも天気はいいようだ。このまま白馬岳山頂にもガスがかかっていなければいいが。

 小雪渓のトラバースは情報通り雪切されて足を置く場所は水平を保てるようになっているが、万が一滑落した場合に備えて軽アイゼンを装着して軽ピッケルを斜面側に突き刺しながら横断した。小雪渓を渡り切れば山頂までアイゼンが必要な場所はもうない。なお、下山時にすれ違った登りの登山者は小雪渓はノーアイゼンで通過していた。

 小雪渓から先の傾斜が緩い谷筋もお花畑で、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、イワオウギ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイなどが花盛り。往路はまだ暗い時間帯だったので主に帰りに花の写真撮影をした。ウルップソウはほとんど終わりかけだった。村営頂上宿舎まで達するとミヤマオダマキが多く見られ、水源となる雪渓周辺ではウルップソウが盛りだった。というか、ここだけしかウルップソウは咲き残っていなかった。来週にはほとんど咲き終わってしまうだろう。ウルップソウは梅雨の時期に咲くので通常は夏山シーズンには花が終わっている。

 県境稜線に出ると西寄りの冷たい風が強く、防寒装備を着用。ズボンは登山靴を脱がないと履けないので山頂に到着してから履くことにして、半ズボンのまま風に吹かれて歩いた。白馬岳山頂にはガスはかかっていないのが見えてほっとするが、南西に見えている剱岳、立山が霞んでしまっているほどで、今日は空気の透明度が悪く遠望はほとんど効かなかった。まあ、ガスって何も見えないのを覚悟で登ったのを考えればずっとマシであるが。頭上は雲に覆われているが厚さは薄く隙間から青空が見えることもあり、雨の心配は皆無だ。ただしこれがいつまで続くかは不明。頂上宿舎のテント場にはテントが2張のみだが、今日は3連休初日なのでこれから賑わうだろう。

 一ヶ月前には頂上宿舎から白馬山荘までの間でツクモグサが見られたが、今回は確認できなかった。ツクモグサはウルップソウよりさらに開花時期が早いのでもうおしまいなのも当然だが、白馬山荘東側で幾株か咲き残っているのを見ることができたのはラッキーだった。

 ツクモグサは終わっていたが、前回も見かけたオヤマノエンドウはまだ咲いていた。前回は見られなかったミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、タカネツメクサ、イワツメクサ、ミヤマクワガタ、ミヤマシオガマなどが見られた。ミヤマダイコンソウは今がピークで、来週には大部分が散ってしまいそうな。

 白馬山荘からはメインの縦走路を外れて山荘前を東に横切って稜線東側の登山道を登った。ここもお花畑で花のピークを迎えつつあった。メインの縦走路に合流し、西斜面の花を愛でながら白馬岳山頂に到着。先客は2人のみで、少し後で栂池方面に下っていった。 天候はさらに良くなって薄日が差すようになり、山頂はガスはかかっていないが空気の透明度は悪いままで近場の山しか見ることはできなかった。日本海側は比較的見えやすく、黒部川河口付近の海岸線は良く見えていた。糸魚川市街地付近の海岸線もうっすらと確認できた。南は見えているのは鹿島槍までで、蓮華岳や針ノ木岳はかろうじて視認できるかギリギリの状態で、常念山脈や槍穂は影も形も無かった。八ヶ岳と南アルプスも同様だ。

 薄日が差しているのだが西寄りの冷たい風が強く、体感的にはかなり寒くて山頂の展望盤の影で風を避けながら防寒のためズボンを履いてゴアを着て休憩。その間に数人の登山者がやってきたが、単独の男性はこれから栂海新道を縦走して親不知へ向かうとのこと。真夏にこの縦走をやると標高が落ちたところで気温が高すぎで汗だくになるし、虫も多いので快適とはいいがたいが、通常の土日では実施は無理なコースなのでこの3連休でやるのも仕方なかろう。あとはあまり酷い悪天に悩まされないことを祈ろう。予報では連休中はずっと大気の状態が不安定だったからなぁ。

 強風による寒さとこの展望では長居する意味が無いので、小休止でパンを齧って下山を開始した。この時間に稜線を歩いているのは金曜夜は山の上で宿泊した人だけであろうが、下山時に見かけたのは20人に満たなかっただろう。唐松岳方面に縦走する3人パーティーがいたが、南に向かう登山者のほとんどは私と同じく猿倉への下山コースだった。

 頂上宿舎から下山する前に旭岳方面に下って今までに見なかった花が無いか探索。するとコバイケイソウの群落を発見。今回のっコースの中でコバイケイソウが見られたのはここだけだった。また、ゴゼンタチバナもここだけにしか咲いていなかった。雷鳥がいないかちょっとだけ期待したが残念ながら見られず。

 頂上宿舎から小雪渓にかけてのお花畑を下っている際にもまだ登りの登山者とすれ違うことは無く、小雪渓のトラバースでようやく先頭の登山者が上がってきた。この先は徐々に登りの登山者の姿が増え始めて、大雪渓に乗る地点で一気に増えた。そして大雪渓を下っていくにつれてさらに登山者が多くなり、大雪渓に列をなして登ってくる光景が見られた。天気のいい夏の週末よりはまだ人数は少ないが、それでも合計で100人は超えていたと思う。200人くらいいたかな?

 ケルンで夏道に乗ってもまだ登りの登山者とすれ違う。さすがに標高が落ちると気温が上がって暑い。葱平を下っている時に一時的に日差しが強まって麦わら帽子を被ったが、大雪渓の途中で雲の中に入ってガスがかかって涼しくなったところで麦わら帽子の役目はおしまい。ガスの層を通過すると上空は雲に覆われるが薄く、雲の切れ間から太陽が顔を出すと一気に暑くなる。大雪渓を離れて夏道に乗ると雪渓を吹き降りる冷たい風が無くなるので暑さはひとしおだ。白馬尻では数名の登山者の姿があった。なお、白馬尻は小屋は畳んだままだがトイレだけは建設されている。ここでスノーボードを担いだ若者が私を追い越して下っていったが、おそらくあの雪質を見て滑るのを断念したのだろう。あの固いスプーンカットの雪を滑るのは簡単では無かろうし、表面には石や砂が多数浮いているので板がボロボロになりそう。

 白馬尻から少し下った沢側の斜面にニリンソウがまとまって咲いている場所あり。今回ニリンソウが見られたのはここだけで、おそらく遅くまで残雪があったのだろう。そろそろオオレイジソウが咲いているかと思ったらまだ早く、花を見かけたのは1株だけだった。

 林道に降り立つと1台の車あり。今年は小屋は無いが白馬尻小屋関係者が上がっているようだ。鑓温泉方面入口には何の警告表示も無く、鑓温泉が営業開始して登山道の手入れがされたようだ。ただし、例年の今頃だと鑓温泉から稜線までの間で厄介な場所に残雪があり、雪装備が無いと通過は難しいだろう。

 長走沢で軽く水浴びをしてから駐車場へ下った。夏山シーズンは地元民が駐車場の整理のため駐車場入口に陣取っているが今年もその姿があった。ただし、駐車場は満車ではなく、やはり天気予報の悪さが影響しているのだろう。駐車場から見上げる空は一面の雲に覆われ山頂は見えなかった。この時間帯でも上がってくる車があったが、お昼以降は雷雨の確率が高まるので今から登るのは結構リスクが高いぞ。


 今回からデジカメを変更。私の所持する中では最新のパナソニックのデジカメが1年くらい前にレンズ駆動系が不調となり、それ以降は古いデジカメを引っ張り出して撮影していたが、そのデジカメもレンズ駆動系が不調で撮影不可能な状態が頻発するようになったため、パナのデジカメを修理することにした。いっそのこと新しいデジカメを購入することも検討したが、ネットで調べたら今の時代はスマホに押されてコンパクトデジカメの選択肢は極端に少なくなり、これまでと同機能のデジカメを同価格帯で購入することは不可能になっていることが発覚。修理した方が安上がりとの結論に達して修理を実施(約2.4万円)。故障は完全に直って動作は快調。ただしこのデジカメは駆動系が構造的に弱くて故障しやすいので、特に電源OFF時のレンズ収納時に布等が鏡筒に巻き込まれないよう注意が必要。今度はカメラの寿命まで使い続けたいものだ。

 

山域別2000m峰リスト

 

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